カリキュラムと履修ガイド

カリキュラム基礎知識

カリキュラムとは、学生諸君がこれから4年間の間に情報文化学部でどのようなことがらを学び、どのような知識・能力を身につけることになるのかを体系的に示したものです。したがって、カリキュラムは、「われわれ情報文化学部はこれだけの教育を提供しますよ」という約束であると言えます。また、見方を変えれば、情報文化学部の卒業生としてどれだけの知識や能力を身につけてほしいと思っているかを示すものとも、情報文化学部の目指す学問の全体像を示すものであるとも言えるでしょう。カリキュラムはまさに教育機関としての大学のアイデンティティにかかわるものです。ですから、学生諸君もまずは情報文化学部のカリキュラムについてよく理解するよう努めてください。

カリキュラム構成の基本的な考え方

 これまで文理融合的な知識を重視し、幅広い視点での教育を行ってきた結果、情報文化学部の卒業生は社会のさまざまな分野で活躍し、高い評価を得ています。これは、本学部の卒業生が情報化社会で活躍するためのきちんとした素養(リテラシー)を習得し、総合的・系統的な視点を備えていることに起因していると考えられます。
 従来の学部は専門分野に強い人材を育てるための教育を行い、専門家になるための教育が行われてきました。この形の教育は専門的分野をきちんと担える人材を育ててきたという意味で大きな貢献をしていると言えます。しかしながら、現代の世界は、情報化、国際化、環境問題など総合的視点からとらえる必要がある問題が広がっています。このような問題に適切に対処していくためには、多様な視点を持って、複雑に絡み合った現象を系統だてて理解する能力が要求され、そのような能力を備えた新しい人材への要請が高まっています。
 本学部では、現代社会の総合的な課題に対応できる人材を育てるべく教育体制を整えています。教育の目的を「確固とした基礎学力と幅広い教養に基づいて、多面的なアプローチによるシステム思考ができる人材を育成し、新しい分野で俯瞰的に問題へ対処し解決への道を切り拓ける人材の育成」とし、次の基本方針を立て教育を実施しています。(1)高い情報処理能力と倫理観を持ち、多面的なアプローチによるシステム思考ができる人材の養成に努める。(2)高度情報ネットワーク型社会における文化の創造の基礎となる文理融合型の新しい学問分野の開拓に挑む。これらは、名古屋大学の教育の基本的な目標である「自発性を重視する教育実践によって、論理的思考と想像力に富んだ勇気ある知識人を育てる」を、情報文化学の分野で実現しようとするものです。 このための基本的な能力として、論理的思考力、人工言語リテラシー、自然言語リテラシーの3本柱が重要であり、これらが個人の能力の基盤となると考えています。そして、それらを基に、諸学問分野の概念とそのアプローチを学び、複雑に絡み合って機能している現代社会のあり方を系統立てて理解できる能力をつけることが、複雑化する現代社会の諸問題に取り組む能力を育てる上で大切だと考えます。
 専門基礎科目はこの考えに基づいて構成されています。
 さらに、それをもとに既存学問分野の研究とそのアプローチを学ぶこと、また、それらを駆使し様々な異分野の知を結びつけ、環境学や情報科学などの新しい分野で諸問題に取り組める能力を陶冶することが大切だと考えます。そのために、上記の専門基礎科目群に加えて、(1)環境学や情報科学に関連した問題意識の明確化を目的とした導入的な科目、(2)問題意識に対する既存学問分野に準拠した方法論・研究計画の修得を目的とした基礎固めのための科目、(3)日々更新される情報環境への対応を目的とした情報関連科目、(4)問題意識への専門的・多角的なアプローチの修得を目的とした専門科目、(5)環境学や情報科学に関連した新たな取り組みに繋がる卒業研究指導の充実、という構造をもったカリキュラムを編成しています。以上が、情報文化学部のカリキュラムの基本をなす考え方です。

科目区分とは何か

カリキュラムはいくつもの授業科目から構成されますが、系統的な履修を可能にするため、それらの授業科目は次のように区分されています。

  1. 全学教養科目
    • 全学基礎科目
    • 文系基礎科目
    • 理系基礎科目
    • 全学基礎科目
    • 文系教養科目
    • 理系教養科目
    • 開放科目
  2. 専門科目
    • 専門基礎科目
    • 専門科目
    • 関連専門科目

I.全学教育科目は、文字通り名古屋大学の全学生に対し、名古屋大学の学生としてふさわしい基礎教育・教養教育を目指し、全学の教官が責任を持って実施する教育科目のことです。つまり、どのような学部で学ぼうとも、現代の大学生としてこれだけは身につけておいてほしいというミニマルな教養・スキルの形成を目指しているものです。情報文化学部は全学教育科目を重視しています。しっかりとした基礎能力と幅広い教養という土壌無しには、いかなる専門性も花開かないと考えているからです。しっかりと学修してください。全学教育科目のねらいや、サブカテゴリーのそれぞれのねらいなどについては、別途配布される全学教育科目履修の手引きをよく読んでください。

II.専門系科目は情報文化学部教官によって情報文化学部学生のために提供される科目群で、3つのサブカテゴリーに分かれます。

専門基礎科目
授業科目の内容を見れば分かるように、ここには文系・理系の区別はありません。それは、この科目が、情報文化学部の目指す学問の方向性を示し、高度情報社会の担い手として活躍していくために必要なものの見方・スキルを身につけてもらうための科目だからです。学科を問わずすべての情報文化学部生に学修してもらうことになります。このような意味で、専門基礎科目は情報文化学部が目指す文理融合型の教育を体現したものといえるでしょう。
専門科目
専門基礎科目で身につけた基礎能力を土台に、さらに専門性を磨いてもらうための科目です。どの科目が専門科目になるかは、自分がどの教育系に所属するかによって異なります。
関連専門科目
専門科目が「縦への深まり」を追求するための科目だとするならば、これは「横への広がり」のための科目です。分野の壁を乗り越える幅広い視野と柔軟な知性をもってもらうために、情報文化学部では、自分の所属する教育系以外の教育系、あるいは他学科が開講する科目も積極的に受講することを勧めています。そうした科目がこのサブカテゴリーに属します。また、卒業後の進路を考えて開講される「情報と職業」、あるいは大学院進学のための学力強化をめざす「特別研究」などの科目もここに含まれます。

みなさんは、それぞれの科目区分に応じて、卒業に必要な数の単位を修得していかなくてはなりません。その詳細については、卒業要件単位を見てください。

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