名古屋大学情報文化学部

教員紹介

胡 艶楠（こ えんなん）

研究内容

私はこれまで組合せ最適化問題に対して実用的な近似解法の開発を目指して研究を行ってきました．組合せ最適化問題は，問題の解が定義される空間や制約などが離散的である問題で，社会で現れる様々な問題は組合せ最適化問題として表現できます．しかし，それらは多くの場合，NP困難な問題で，現実的な計算時間で最適解を得ることは非常に困難です．その一方で，現実の問題では厳密な最適解が必要とされることはまれで，適度な精度の近似解を現実的な計算時間で求める解法で十分に実用的であると考えられています．このような状況では，効率よく近似最適解を求める解法が有用となります．
私がこれまでに主な研究テーマとして行った研究は，2次元と3次元の配置問題に対する近似解法の研究です．配置問題とは，配置すべきもの（製品と呼ぶ）の集合と配置される空間が与えられたとき，製品を空間内に，様々な制約の下で効率よく配置する問題です．また，乗務員スケジューリング問題と配送計画問題に対する効率的な近似解法などの研究が挙げられます.乗務員スケジューリング問題は，様々な制約の下で，与えられた全ての業務を運航するようにスケジュールを作成するとき，人件費等のコストを最小化することを目的とする問題です．配送計画問題は, 様々な制約条件の下で, 複数の車両を用いて複数の客を訪問するような経路の中で, コストが最小のものを求める問題です．