教員紹介
松原 洋(まつばら よう)
- 自然情報学科数理情報系
- 教授
- 研究科棟306
- yom@is.nagoya-u.ac.jp
研究内容
専門は公理的集合論です。公理的集合論は、無限集合のいろいろな性質について研究する数学の分野です。例を1つあげてみます。有限集合における要素の「個数」という概念は、無限集合への適用をするために「濃度」という概念へ一般化されます。有限集合の場合と異なり、無限集合の場合は、包含関係の大小と濃度の大小が完全には対応していません。たとえば、自然数全体の集合は整数全体の集合の真部分集合ですが、その2つの集合の濃度が等しいことはすぐに解ります。さらに有理数全体の集合も上に挙げた2つの集合と同じ濃度をもっています。しかし実数全体の集合は、より大きい濃度をもっていることが知られています。公理的集合論の大きな課題の1つは、実数の集合の濃度を調べることでした。この分野ではそうした問題を解決するために、いろいろな手法や公理が考え出されてきています。