名古屋大学情報文化学部

教員紹介

戸田山 和久（とだやま かずひさ）

研究内容

科学哲学をベースに３つのテーマで研究しています。

1. この世界にあるのはモノ（物理的対象）だけだという世界観がある一方、数・情報・心理的状態など、科学には抽象的な対象がたくさん現れます。こうした抽象的対象を「モノだけ世界観」にどのように整合的に描き込むかという問題。
2. 知識は人間の専売特許ではなく、他の生物にも見られる自然現象です。こうした視点から「世界について何をどれくらい知りうるか」とか「知識獲得にはどのような方法を採用すべきか」といった認識論の伝統的問題を捉えなおして、認識論を自然科学の一部に埋め込んじゃえという「認識論の自然化プロジェクト」。
3. 技術者は専門職として、顧客や雇い主だけでなく市民一般に対して社会的責任を負っています。この余分な責任の根拠は何か。そうした責任を技術者がきちんと果たしていけるような教育や社会的支援のシステムはいかにあるべきか、という応用倫理・科学技術社会論的な問題。